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注目される大阪ミナミの街と不動産 

 

 

 大阪ミナミが注目を集める1点目がインバウンドの増加です。インバウンドとは、訪日外国人旅行の意味ですが、この訪日外国人の数が全国的に見て増加傾向にあります。2016年においては2,400万人強の人数となっており、今年も1月から8月までで既に1,900万人弱の実績です。この流れは2003年の国交省が発信したビジットジャパンキャンペーンにより徐々に入国者数が上昇し、一時リーマンショック後に落ち着きましたがアベノミクスの円安効果により最近急激に増加しております。訪日客消費もインバウンドの増加により拡大しており、百貨店大手、関西圏でも売上増収の経済効果が見られます。では、日本のどこを旅行者がまわるのかというと、旅行業界のワードでゴールデンルートというものがあります。まずは首都東京の大都会に行き、そして富士山に登り、続いて古都京都を堪能、最後に立ち寄られるのが、大阪です。大阪でも北エリアよりも、アジアの旅行者に街並みの親近感がありまた関西空港へもアクセスがよく土産物購入に最適なミナミが選ばれております。訪日客消費は数では首都東京にはかないませんが、消費増加率でいうと関西圏が昨年14%増と全国平均の8%を上回っております。

 注目を集める2点目としまして、地価上昇があります。商業地地価ランキングが新聞各社で公表されていますが、なんと地価上昇率で全国2位の地点はミナミの宗右衛門町と戎橋の交差点にあるビルの地点です。関西圏ではそのほか上位は京都が占めますが、関西圏が牽引していることがわかります。人の賑わう、インバウンドの増加している地域として大阪、京都を中心に地価が上昇している傾向にあります。

 そして注目を集める3点目として、ミナミでの不動産開発投資の増加があります。商業テナントで顕著なのはドラッグストアの戦略的な展開があります。心斎橋筋、堺筋、千日前、道頓堀など訪日客の観光ルートにあわせた1階路面店への店舗展開が多くみられます。また、免税店においては百貨店内への出店や新規に開発された訪日客向けの商業施設内への空中店舗への展開などがインバウンドを見据えた店舗展開として特徴的です。大阪市内のホテル稼働率が8月時点で96.3%と満室に近くなる中、ホテル開発において大阪では投資が積極的にされています。大手不動産会社も積極的に参入し、用地から開発後、ホテル運営会社へ一括賃貸等の運用がなされております。大阪では東京と比べて、オフィス賃料単価が低く、オフィス建築より高級レジデンスへの投資がみられた時期もありましたが、現在ではホテル開発が投資家や事業主から注目されています。当社の近く、堺筋でも大手不動産会社が216室の大型ホテルを建築する計画があり、これまで御堂筋中心の開発が多かったものがインバウンドの影響で開発の裾野が広がっており今まで見られなかった影響があることを実感しております。開発が進んでもホテルの数がインバウンドの数に比べて少ない状況が続いており、昨今、話題の民泊が注目されています。問題となっているのは、違法な民泊営業、旅館業やマンション規約に反する営業があるためで、来年施行される民泊新法が注目されます。今後、大阪はIR・カジノの招致など話題がある一方、地価高騰の懸念もあり、今後どのような様相となるかは予想が難しいですが、今注目を集めており魅力的な街であることは本ブログにてお話させて頂きました。本ブログをお読みいただき感謝致します。ありがとうございました。